LED照明の生体安全性について

ブルーライト(青色光)の
正しい理解のために

LED照明は、自然光や他の光源と比べ、光として大きな差はありません。

光放射の効果と影響

光放射(光)の生体への「しょうがい」は、生体に損傷を及ぼす場合(傷害)と機能に支障を来たす場合(障害)とに区別されます。

生体に対する「傷害」と「障害」の定義

用語 傷害 障害
定義 生体の臓器や細胞の一部または全部が、生理的、生化学的、生物物理的、機械的または、機能的に損なわれること。
損なわれた結果、病気を発症したり、生活機能が低下したりすること。
体調や生活リズムが変調になったり、生活そのものが異常になったり、正常でない状態になったりすること。

光の傷害については、光を正しく測定し、その値に基づいて正しく対処することが必要です。基本的には「まぶしい・痛い」と感じなければ問題ありません。さらに、光源を直視しないとか長時間浴びないという注意をすれば、なお安心、ということになります。光の障害については、サーカディアンリズムからは「適度な青色光を適切な時間帯に浴びることは好ましい」ということであり、青色光がすべて悪いという訳ではありません。自然光にも青色光が含まれています。重要な点は、生体に与える影響項目毎に、その光が強すぎるか否かを正しく知って適切に使うことです。

  • 1自然光、人工光を問わず、光を正しく測定し、その値に基づいて、正しい対処をすること
  • 2光が生体に与える影響(症状)は、さまざまであり、それぞれの対処法が必要であること

光による傷害

光放射による生体への「傷害」的作用の中で、主として青色光が関連している傷害が、“青色光による網膜への傷害”(青色光網膜傷害)です。下の図は、発光面積と発光部の輝度を同じ条件にして比較した結果で、自然光(6500Kの昼光)の実効放射輝度を1とした場合の相対的な影響の度合いを示しています。白熱電球、電球色3波長形蛍光ランプ、電球色LEDランプ(青色LED+黄色蛍光体)の比較、自然光(6500Kの昼光)、昼光色3波長形蛍光ランプ、昼光色LED(青色LED+黄色蛍光体)の比較を見れば、ほぼ同等の影響度合いであることがわかります。LED照明は、従来光源、自然光と同様な注意をすれば安全に使用できます。

グラフ:青色光網膜障害の作用スペクトル
グラフ:各種光源の青色光網膜障害のリスク比較(一例)

サーカディアンリズムと光

目から入る光が、人のサーカディアンリズム(概日リズム)を調整する役割を果たしており、健康と密接な関係があることが分かってきました。夜遅い時間帯(例えば、習慣的起床時刻から14時間後以降)に強い光を受けることは、サーカディアンリズムや睡眠に影響を及ぼす可能性があり、その光の波長(すなわち光の色)によって、その抑制度合に差が生じます。光源の相関色温度が高くなるにつれて、メラトニン分泌抑制作用は強くなりますが、LED照明の作用が従来照明と比べて特異的に高いということはありません。

グラフ:メラトニン分泌抑制の作用スペクトル
グラフ:各種光源とメラトニン分泌抑制効果の比較(一例)

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