検索

JLMAサイト内を検索

HOME > 照明の知識 > LED照明 > 高調波規格と関連Q&A

高調波規格と関連Q&A

高調波全般Q&A

Q1
高調波とはどういったものでしょうか?
Q2
高調波が他機器に与える影響とは?
Q3
現在の国内外の高調波規格はどのようなものがあるのでしょうか?
Q4
高調波への規制状況はどのようになっていますか?
Q5
どんな機器が規制を受けるのでしょうか?
Q6
高調波規格はどのような団体で審議され、決定しているのでしょうか?
Q7
現在は、25W以下のLED照明器具は規制されていませんが、今後のLED照明の高調波限度値の扱いについての情報をいただけないでしょうか。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A

定義

Q8
どういったものが照明機器に含まれるのでしょうか?

機器の分類

Q9
電源別置のLED照明器具で電源部が定格25Wを超える場合、本規格の適用対象に含まれるとの解釈でいいのでしょうか?
Q10
複数のLED照明を接続できるLED照明用調光器の定格が25Wを超える場合、規格への適用対象になるのでしょうか?
Q11
調光器の定義と分類について、規格にある調光器は具体的にはどんな種類があり、それぞれがどの分類に入り、限度値はどのように決められているのでしょうか?

試験方法

Q12
クラスCの機器については、製造業者が指定する基本波電流及び力率を用いて、限度値を算出するとありますが、測定時の基本波電流で限度値を算出しないのでしょうか?

高周波電流限度値

Q13
調光用の照明機器についての有効入力電力についての解釈ですが、調光時に25W以下となる場合の限度値の規定はどのように考えればよいでしょうか?
Q14
電源線は別で25Wの照明機器を複数台、通信線にて接続し、連動して使用する場合の高調波の判定基準はどのようになっていますか?
Q15
LEDを使用したロープ状(10m)の装飾灯の適用クラスについて、1本は25w以下ですがこれを連結した場合、連結した状態で測定する必要があるでしょうか。
Q16
LED照明で調光時においては、最大負荷(100%時)の基本波電流値により計算するとなっていますが、調光時においての限度値は調光時の力率、最大負荷時の力率のどちらを使用すれば宜しいでしょうか。
Q17
複数のピークのある電流波形についての解釈はどうなるのでしょうか?

試験条件

その他

Q18
高調波流出電流計算書の作成依頼があるとき、JIS C 61000-3-2と、高調波流出電流計算書(日本電機工業会)の関連は?
Q19
JIS C 61000-3-2を満足していれば、台数が増えても高調波の問題はないでしょうか?

回答

高調波全般Q&A

Q1 高調波とはどういったものでしょうか?

「周期的な複合波の各成分中、基本波以外のもの。第n次高調波とは、基本周波数のn倍の周波数を持つもの。」(JIS Z8106「音響用語(一般)」より)、「基本波の整数倍の周波数をもつ正弦波」(JIS Z9212「エネルギー管理用語(その2)」より)と定義されています。
基本波の3倍の周波数を第3高調波、5倍の周波数を第5高調波といいます。
一般的には「高調波」は「高調波電流」を意味します。

高調波全般Q&A

Q2 高調波が他機器に与える影響とは?

・調相設備(コンデンサやリアクトル)の振動・うなり・異常過熱
・電力ヒューズの加熱溶断
・通信機器の雑音・映像の乱れ
・電力量計の計量誤差発生・継電器器の誤動作
・家電品の誤作動、不動作、エラー表示などの不具合
などがあげられますが、これらに限らずさまざまな機器に影響を及ぼします。

高調波全般Q&A

Q3 現在の国内外の高調波規格はどのようなものがあるのでしょうか?

高調波規格は現在、IECではIEC 61000-3-2:2018、国内では、JIS C 61000-3-2:2011に規定されています。IECではIEC 61000-3-2:2018が発行され、25W以下のLED機器も限度値が設けられましたが、現在のJISはまだこの最新版には対応していません。

高調波全般Q&A

Q4 高調波への規制状況はどのようになっていますか?

海外の高調波規制はIEC 61000-3-2 をベースとして、欧州、中国では強制規格になっていますので、その地域への販売時は規格遵守が必須です。
日本の高調波規制は、JIS C 61000-3-2:2011 が制定されていますが、法規制でなく、経済産業省から業界への遵守要請のみです。1990年台後半より各工業会では定期的に実態調査を行って、経済産業省へ報告を行ってきましたが、遵守率が100%に近くなったため、2012年度より、その義務はなくなりました。しかしながら日本照明工業会では、LED機器(25W以下)が今後対象になることから継続して年1回の会員会社の実態調査を実施し、JIS遵守の確認と不適合機器の遵守対応を要請しています。

高調波全般Q&A

Q5 どんな機器が規制を受けるのでしょうか?

JIS C 61000-3-2:2011では、適用範囲に記載している通り、電圧300V以下の商用電源系統に接続して用いる定格電流20A/相以下の電気・電子機器[家電・はん(汎)用品]に適用されます。また、照明機器はクラスCに分類され、有効入力電力が25Wを超える照明機器と、有効入力電力が25W以下の放電灯照明機器が対象となります。

JIS C 61000-3-2:2011 高調波電流限度値の適用クラス

■適用範囲   ※該当しない機器にも準用

・電圧300V以下の商用電源系統に接続される定格電流20A(/相)以下の電気・電子機器(家電・汎用品)

照明機器の該当性 種別 調光器 電子トランス 25W超え ※1 25W以下 ※1
照明機器 白熱電球照明
(ハロゲン電球照明を含む) 
内蔵 - クラスA 規定なし
別置・なし 内蔵 クラスC
別置・なし 適用外
放電灯照明  内蔵・別置 - クラスC 
(位相制御式は適用外)
クラスD(電力比例限度値)
または
入力電流の波形条件
なし - クラスC
調光器 (白熱電球用以外) - - クラスC
(放電灯用の位相制御式は適用外)
規定なし
その他の照明機器 (LED照明含む) - - クラスC 規定なし
照明機器以外 白熱電球用調光器 - - クラスA (定格電力1.7kW以下のものは適用外)
直流電源装置 - - クラスA  (クラスB~Dに属さない機器)
基本機能が照明以外の機器の補助照明、表示照明 (インジケータ類) - - 適用外
(機器全体として基本機能のクラス適用)

※1 家庭用照明器具は25Wを35Wに置き換えて適用

(備考)

○独立した機器がケースに設置される場合、各機器が電源プラグを持たなくても、独立して電源接続された機器とみなす(ケース全体の試験不要)
○適用クラスの異なる複数のランプ制御装置を組込む照明機器は、制御装置毎に限度値適用 (例)白熱電球+調光器、蛍光ランプを組込む家庭用照明器具
○電子トランス、調光器を内蔵しない白熱電球用照明器具は試験不要
○以下のJISC61000-3-2適合部品だけを使用した照明器具は試験不要 ※JIS適合性が不明・不適合の部品を使用する場合は照明器具でJIS適合のこと
 ・電球形蛍光ランプ、電球形LEDランプ
 ・安定器(蛍光ランプ用、放電ランプ用)
 ・電子トランス(白熱電球用、ハロゲン電球用)

高調波全般Q&A

Q6 高調波規格はどのような団体で審議され、決定しているのでしょうか?

IECでは、低周波ノイズを扱うTC77委員会の傘下のSC77A分科会で審議、決定されます。JISはIEC SC 77A国内委員会(電気学会所轄)にてIEC規格をベースとしてJIS原案が作成されます。上記国内委員会、JIS原案作成委員会には当工業会も参画しています。

高調波全般Q&A

Q7 現在は、25W以下のLED照明器具は規制されていませんが、今後のLED照明の高調波限度値の扱いについての情報をいただけないでしょうか。

IECにて5~25WのLED照明機器も現規格JIS C 61000-3-2:2011の7.3b)の放電灯照明機器の規定を適用するなど、主にLEDに関連した改正版IEC 61000-3-2:2018が発行されました。主な改正点は以下の通りです。
1)LED照明関連の定義が追加
2)5W未満のすべての照明機器の限度値なし
3)特定定格電力以下の独立形位相制御調光器の限度値なし
4)2W以下の制御モジュール組み込みの照明機器はこれを除いて測定可能
5)25W以下のLED照明への限度値が追加
 (すべての照明機器に適用される)
6)25W以下の緩和条件の追加(以下の③が追加、①②は従来通り)
 ①クラスD
 ②波形位相での判定
 ③THD≦70%かつ、基本波電流の割合が第2、3、5、7、9、11次でそれぞれ5%、35%、25%、30%、20%、20%以下
7)調光器は位相制御式以外「照明機器」に分類(明確化)
8)調光器組み込み照明機器の限度値規定修正
9)位相制御式調光器の試験条件の明確化

JIS規格は現在、この新しいIEC規格IEC 61000-3-2:2018に対応した原案を作成中で、2019年に改正される見込みです。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A定義

Q8 どういったものが照明機器に含まれるのでしょうか?

JIS C 61000-3-2:2011では、定義3.19に以下の通り、記載されています。
「基本機能が白熱電球、放電ランプ又はLED による放射光を発生及び/又は分配する機器。」
具体例としては、
・ランプ及び照明器具
・基本機能の一つが照明である多機能機器の照明部分
・放電ランプ用独立形安定器及び独立形白熱電球用変圧器
・紫外線及び赤外線応用機器
・広告用の電飾サイン
・白熱電球用以外の調光器(放電灯用、LED用)です。

この規格で除外扱いになる照明関連機器の具体例は、
・複写機、オーバヘッド投射機、スライド投射機のようにほかの基本機能をもつ機器に内蔵するか、又は目盛り用若しくは表示目的の照明
・白熱電球用調光器 です。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A機器の分類

Q9 電源別置のLED照明器具で電源部が定格25Wを超える場合、本規格の適用対象に含まれるとの解釈でいいのでしょうか?

一般的な独立形直流電源(汎用性のあるもの・・・LED専用でないもの)はクラスA、LEDのみを負荷とする独立形直流電源は照明機器にあたり、クラスC(ただし25W超)に分類されます。独立形といっても特定のLEDモジュールと組み合わせて照明器具として構成されるわけであり、定義から考えても専用である限りは照明機器とみなされると思います。したがって、LED専用で25Wを超えるような場合は本規格の7.3 a)が適用されます。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A機器の分類

Q10 複数のLED照明を接続できるLED照明用調光器の定格が25Wを超える場合、規格への適用対象になるのでしょうか?

調光器については、白熱電球用以外は照明機器に定義されています。(白熱電球用調光器はクラスAに分類)したがって、放電灯用やLED用で25Wを超える場合は7.3 a)項が適用され、「器具内調光器をもつか、又は独立形調光器若しくは外郭内に組み込んだ調光器によって構成する白熱電球用以外の照明機器に対しては
1)最大負荷条件で表2の限度値以下
2)いかなる調光位置でも1)の限度値以下
が要求されます。
ただし、白熱電球用以外の位相制御式調光器は限度値無しの除外規定があります。調光器の制御仕様により、判定が変わりますので仕様をご確認ください。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A試験方法

Q11 調光器の定義と分類について、規格にある調光器は具体的にはどんな種類があり、それぞれがどの分類に入り、限度値はどのように決められているのでしょうか?

定義には「器具内用調光器」のみ規定されていますが、ほかに「独立形調光器」があり、これは照明機器の外部にある独立した調光器を指します。調光器の分類は「位相制御式」「それ以外の制御式」があり、「位相制御式調光器」とはトライアック、逆接続SCR又は大容量トランジスタを用いた位相制御式(逆位相制御式を含む)調光器を指します。
適合負荷も「白熱電球用」「白熱電球用以外(放電灯用、LED用など)」にそれぞれ分類されます。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A試験方法

Q12 クラスCの機器については、製造業者が指定する基本波電流及び力率を用いて、限度値を算出するとありますが、測定時の基本波電流で限度値を算出しないのでしょうか?

規格上は、指定値となっていますが、現実はほとんどの照明機器メーカ-は試験機関に提出するとき、基本波電流や力率を指定していません。そのため、試験機関は6.2.2に従って、最大基本波電流と力率を測定し、高調波限度値の計算のためにこの値を使用します。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A高周波電流限度値

Q13 調光用の照明機器についての有効入力電力についての解釈ですが、調光時に25W以下となる場合の限度値の規定はどのように考えればよいでしょうか?

25Wを超える調光用の放電灯照明機器は7.3a)に規定されているように
・最大負荷はクラスC
・いかなる調光位置でも最大負荷での許容電流以下
一方7.3b)で25W以下の規定があり、これはすべての放電灯機器が対象です。工業会としては7.3a)とb)は機器の定格にて分類するのが一般的と考え、たとえ25W以下の調光状態でも前者を満足する必要があると解釈しています。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A高周波電流限度値

Q14 電源線は別で25Wの照明機器を複数台、通信線にて接続し、連動して使用する場合の高調波の判定基準はどのようになっていますか?

照明機器がそれぞれ独立して電源端子を有していますので個々にJIS C 61000-3-2の規定に満足していれば問題ありません。(この場合、7.3bの条件が適用されます)通信線で連動させる機能はシステム機能であり、システム全体の高調波規定はありません。なお、「一つの照明機器に種々のランプ制御装置を組み込み、適用限度値の表が複数にわたる場合は、一般的には個々のランプ制御装置ごとに測定し、各々の限度値を適用する。」の意味は照明機器の中に白熱灯や蛍光灯など適用限度値が異なり、複数備えてあるものの規定で、今回には当てはまりません。今回は、むしろJIS C 61000-3-2 の6.3項 ラックまたはケース収納機器の解釈に近く、電源が独立しているときは個別に測定してよいと判断できます。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A高周波電流限度値

Q15 LEDを使用したロープ状(10m)の装飾灯の適用クラスについて、1本は25w以下ですがこれを連結した場合、連結した状態で測定する必要があるでしょうか。

照明機器はクラスC機器の限度値が適用されます。25W以下の場合は7.3 b)が適用され、LEDは放電灯ではないので現時点では限度値はありません。
JIS C 61000-3-2では製品単品に対する限度値が規定されています。複数連結した状態が一つの製品であるなら、複数連結した状態で測定する必要があります。
 一つの製品かどうかは販売している状態が連結されているか否かによります。一般的な家電製品の場合はコンセントに差し込むプラグ一つから電力供給しているか否かによります。製品形態がどうなっているかで判断する必要があると考えます。複数連結で製品設定がなされている(品番、定格が設定されている)場合、その状態での電力で判定されます。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A高周波電流限度値

Q16 LED照明で調光時においては、最大負荷(100%時)の基本波電流値により計算するとなっていますが、調光時においての限度値は調光時の力率、最大負荷時の力率のどちらを使用すれば宜しいでしょうか。

「いかなる調光位置においても、高調波電流は、最大負荷条件に許容された電流値以下とする。」とありますので、調光時の高調波電流についても、最大負荷条件で計算した表2の最大許容高調波電流以下であれば適合していることになります。 従って、最大負荷時の力率を使うことになります。

高調波規格JIS C 61000-3-2:2011に関するQ&A高周波電流限度値

Q17 複数のピークのある電流波形についての解釈はどうなるのでしょうか?

以前のIEC規格は最後のピークと規定されていましたが、現在のIEC規格では文面が変更され単にピークとなっています。工業会内での結論では、複数のピークがある場合、最大のピークで考えれば良いとしています。

試験条件その他

Q18 高調波流出電流計算書の作成依頼があるとき、JIS C 61000-3-2と、高調波流出電流計算書(日本電機工業会)の関連は?

JIS C 61000-3-2の適用を受ける機械・装置は、ガイドラインでの高調波発生量の計算対象から除外できます。従って、JIS C 61000-3-2の対象となっている照明機器は、ガイドラインの対象外となります。ただし、インバータ単体は、JIS C 61000-3-2の対象外であるため、ガイドラインの対象となります。

試験条件その他

Q19 JIS C 61000-3-2を満足していれば、台数が増えても高調波の問題はないでしょうか?

過去の実績から、JIS C 61000-3-2を満足しているものであれば、台数が増えても高調波の問題はおきないと考えています。台数が増えても、高調波電流の含有率は変わりません。