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2023年度LED照明製品試買調査報告

1 はじめに

試買調査は市場に流通する製品を入手し、公的規格などを基準として製品の安全性について確認し、市場の安全を確保する目的で実施してきた。2023年度の対象品目は、AC直結G13直管LED光源とした。

G13直管LED光源については、これを評価する公的規格が存在しないが、市場に登場した頃には火災事故が多く発生したこと、自主統計で数量が増加してきていることから、当工業会としては最低限の安全を確保する目的で、AC直結G13直管LED光源のJLMA安全規格 JLMA 301を制定した。

JLMA 301は、電気用品安全法の対象製品であるエル・イー・ディー・電灯器具として守るべき安全基準を基礎とし、AC直結G13直管LED光源を器具用部品として安全に使用する場合に最低限守るべき安全基準を盛り込んでいる。本来であればエル・イー・ディー・電灯器具として評価すべきであるが、JLMA 301を基準とし、器具用部品としてG13直管LED光源を評価した。

当工業会では、G13直管LED光源を扱う会員企業にJLMA 301の安全基準に適合した製品とすることをお願いしている。今回、会員企業製品がJLMA 301に適合しているか検証することと、市場に多く流通している非会員企業製品の安全レベルの確認を目的に試買調査テーマとして取り上げた。また、結果を公表することで同製品について、より安全な対応をしていただくようにお願いするものである。

なお、JLMA 301は公的規格ではないが、広く一般にも活用いただくため当工業会HPで公開している。

調査概要について、以下に報告する。

2 試買サンプルと評価結果

電源供給方式が片側給電方式のG13直管LED光源として市場にて流通している14社の製品を調査対象とした。内訳は、会員企業製のものが2製品、会員以外が12製品である。

評価項目としては、JLMA 301(AC直結G13口金直管LED光源-安全規格)の中から、安全上重要と考えられる項目を抽出した。

2.1 調査サンプル

社名 全光束(lm) 消費電力(W) 定格入力電圧(V) 会員/非会員 JLMA 301適合公表
A社 40形 2 200 13.5 100-242 非会員  
B社 40形 2 520 18 100 非会員  
C社 40形 2 200 19.5 85-242 非会員  
D社 40形 2 300 20 85-250 非会員  
E社 40形 2 000 12 100-240 非会員  
F社 40形 2 300 18 85-265 非会員  
G社 40形 2 300 18 85-265 非会員  
H社 40形 2 000 18 85-265 非会員  
I社 40形 3 200 25 100-200 非会員  
J社 40形 2 200 13.5 85-265 非会員  
K社 40形 2 000 15 100 非会員  
L社 40形 2 500 20 100-242 非会員  
M社 40形 2 500 16 100-242 会員
N社 40形 2 000 10.8 100-242 会員

2.2 評価結果の概要

評価項目(略記) A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 I社 J社 K社 L社 M社 N社
一般要求事項
(発煙・発火等の故障に配慮した設計など)
表示(誤使用を防ぐための表示など) × × × × × × × × × × × ×
互換性(内部結線の方式など) × × × × × × × × ×
構造(緩みが生じてはいけない箇所でのベタはんだ禁止など) × × × ×
感電に対する保護(絶縁物の厚さなど) × × × × × × ×
沿面距離・空間距離 × × × × × × × × × × × ×
二重絶縁構造 × NA × NA × × × × × NA NA
EMC × × × ×
総合評価 × × × × × × × × × × × ×

2.3 主な問題点

  • 給電方式がJLMA 301で限定している片側給電方式ではなく、他端からも給電できる製品が存在した。
  • 電源回路部において規格上必要な沿面距離・空間距離の確保がされておらず不適合と判断される製品、絶縁物として要求される厚さに満たない構造など、改善が必要な製品が複数あった。
  • 給電側の識別や一般使用者はランプを取り外すことができない旨が本体表示されてないものなど誤使用に対する安全性の改善が必要な製品があった。

3 まとめ

今回の試買調査では、会員企業製品と非会員企業製品合わせて14社のうち、すべての項目で適合と判断されたのは会員企業製品の2社のみで、他の12社の製品は、規格要求事項の複数の項目において不適合という判定結果であった。

JLMA 301制定から3年余り、2021年7月14日改正から2年半でようやく会員企業で適合する製品が市場に出てきた。今後もJLMA 301の規定内容に対する正確な理解を求める普及活動と、規格適合による安全品質向上の推進を行い、特に会員企業には適合をお願いしていきたい。