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2025年度 LED高天井用器具の試買調査報告書

一般社団法人日本照明工業会 技術部
Japan Lighting Manufacturers Association
Technical-Relevant Division

1 はじめに

試買調査は市場に流通する製品を入手し、公的規格などを基準として製品の性能及び安全性について確認を行い、公平で健全な照明市場を形成する目的で実施してきた。2025年度の試買調査対象は、LED高天井用器具とした。

LED高天井用器具は、災害時の避難所として利用される体育館などに多く設置されている。このため、性能項目(全光束・消費電力・EMC)に加え、災害時対応に特に必要な安全を確保しなければならない天井に設置される製品であることから、耐震性能について試験を実施した。

2 試買サンプルと評価結果

2.1 調査サンプル

2025年5月現在で市場に流通しているものであって、LED高天井用器具(全光束20 000 lm程度)を基準とした15社の製品を選定した。内訳は、会員企業製のものが10製品、会員以外が5製品である。また、耐震クラスS2対応品は8製品である。

2.2 評価結果の概要

評価項目は、次の項目を選定し、器具寸法・質量及び表示を除き、第三者試験機関に委託又は設備を借用して試験を実施した。

a)    器具寸法・質量
b)   電気特性及び光学特性
c)   EMC[雑音端子電圧、放射妨害波(周波数範囲:30 MHz~300 MHz)]
d)   耐震性能
e)   表示
電気・光学特性においては、ほとんどの製品が、全光束・消費電力・エネルギー消費効率・平均演色評価数ともに各JISの規定値を満たしていたが、全光束で3製品、相関色温度で3製品がJISの規定値を満たさなかった。図1に全光束の公表値に対する比率を示す。

EMCにおいては、雑音端子電圧で2製品、放射妨害波で1製品がCISPRJ 15の許容値を超過していた。図2に雑音端子電圧の許容値に対するマージン及び図3に放射妨害波の許容値に対するマージンを示す。
耐震性においては、全製品が耐震クラスS2の性能をもつ結果であった。表1に連続正弦波試験後の器具の状態を示す。

また、表示においては、3製品が電気用品安全法で必須となっている項目の表示がなかった。

図1-全光束

図1-全光束

図2-雑音端子電圧の許容値に対するマージン

図2-雑音端子電圧の許容値に対するマージン

図3-放射妨害波の許容値に対するマージン

図3-放射妨害波の許容値に対するマージン

表1-耐震設計目標性能の確認

販売事業者 振動試験後の器具の状態
A社 変化なし
B社 変化なし
C社 変化なし
D社 アーム金具及びアーム金具部品に破断あり ※1
E社 アーム金具の変形及び微細な亀裂あり ※1、※3
F社 変化なし
G社 アーム金具の変形及び部品取付けねじに緩みあり ※1、※2
H社 アーム金具に変形あり ※1
I社 アーム金具のねじ緩みあり ※2
J社 変化なし
K社 変化なし
L社 部品取付けねじに緩みあり ※2 
M社 アーム金具の変形及び部品取付けねじ緩みあり ※1、※2
N社 アーム金具に変形あり ※1
O社 アーム金具に変形あり ※1

※1:部分的な変形又は亀裂、破断が見られたが、目標性能の限定された機能維持は満足している。
※2:ねじの緩みが見られたが、目標性能の限定された機能維持は満足している。
※3:微細な亀裂が見られたが、アーム塗装層の存在によって、亀裂の進展が金属母材に及んでいるかは不明。

2.3 主な問題点

今回の調査で、判明した主な問題点とサンプルの状況は次のとおりである。

a) 全光束の公表値に対する実力値の乖離(公表値の90%を下回る製品:3社)
b) 相関色温度の範囲に対する実力値の乖離(範囲外の製品:3社)
c) 雑音端子電圧のCISPRJ 15 への不適合(不適合の製品:2社)
d) 放射妨害波のCISPRJ 15 への不適合(不適合の製品:1社)
e) 電気用品安全法の要求の表示に関する不適合(不適合の製品:3社)

表2-今回主な問題点が判明したサンプル(●印で示す)

販売事業者 A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 I社 J社 K社 L社 M社 N社 0社
会員企業:○          
問題点 (A)                        
問題点 (B)                        
問題点 (C)                          
問題点 (D)                            
問題点 (E)                        

3 まとめ

2017年度実施のLED高天井用器具の試買調査でも同条件で耐震性能を確認しているが、当時は15社中2社にアームの破断やねじの脱落が見られたが、今回の試買調査では15社全てに目標性能の限定された機能維持を満足しないアームの破断やねじの脱落は見られなかったことから、各社災害時対応に必要な安全を確保しなければならない天井に設置可能な製品であることが伺える結果となった。